【知識とは、人生を楽しむツール】「人生を面白くする本物の教養」
今回は、「人生を面白くする本物の教養」という本について紹介します。
教養を身につけることの重要性について説明されています。
1.教養とは
著者は、教養とは、人生におけるワクワクすること、楽しいこと、面白いことを増やすためのツールであると説いています。
教養を身につけるためには知識が必要ですが、知識だけがあればよいというわけではありません。
広く知識に触れることで、自分がのめりこめるものを見つけることはできるかもしれませんが、知識をもとに自分の頭で考えることこそが教養なのです。
情報をそのまま受け取るのではなく、自分の中で腑に落ちるという感覚を持つことが重要です。
ある調査では、日本の学生は、学生時代に平均100冊ほどの本を読んでおり、欧米の学生は400冊ほどの本を読んでいるという結果が出ました。
教養を身につける意欲は、欧米の学生ほうが高いようです。
また、卒業後の就職先について、欧米ではベンチャー、NPO・NGO、公務員に人気先がばらけますが、日本では安定企業や公務員にばかり人気が集中しています。
これは、学生の質の問題とは限りません。
日本では大学受験、就職活動などの社会システムが、学生から勉強の機会を奪っている側面もあるのです。
2.戦後の教育
「自分で考えない教育」は、戦後の日本で生き抜くうえでは効率的な戦略でした。
目標とすべきゴールが最初から見えていて、ひたすらそこに向かっていくことだけが求められていたのです。
余計なことを考えてしまうと、むしろ時間の無駄となりました。
新卒一括採用や終身雇用制度、年功序列も、戦後の社会にマッチしたシステムだったのです。
働けば働くほど成果の出る社会において、時間をどれだけ会社に捧げるかということが、唯一の評価指針なのです。
常識は、常に疑うべきです。
情報に格差があると、あらゆる市場において、相場が分からずに大きな損をしてしまいます。
常識を疑わなければ、悪意のある人間に騙されてしまうのです。
個人が常識に疑いを持つことで、社会は健全に発展していきます。
情報の格差を解消するためには、誰も知らない機密情報を知る必要などありません。
誰もが知っている情報であっても、深く分析することで隠された情報を引き出すことができるのです。
誰もが知っている情報を、受け売りにしてはいけないのです。
3.教養の学び方
教養を身につけるために、本、人、旅から多くのことを学ぶことができます。
ただし、学ぶことを目的にして取り組んではいけません。
まずは面白いという気持ちから始まり、結果的に物事を学ぶことにつながっていくのが理想です。
好奇心を満たすために行動すべきなのです。
まずは幅広く取り掛かり、興味を持てるものを探しましょう。
たとえば、本を読むときは最初の5ページで見切りをつけるべきです。
そして、読むと決めた本は徹底的に読み込むのです。
【人から学ぶ】
人との付き合いも、面白いかどうかで考えるべきです。
自分の得になるかどうかで考えるべきではありません。
人間関係を人脈として考えていると、自分も同じ様に扱われます。
その場合、利害関係がなくなれば人脈も消滅することになります。
相手と関わることで得になるかどうかという観点ではなく、相手と関わることが面白いと思えるかという観点で人と付き合うべきなのです。
ちなみに私には人脈が一切無いので、気にする必要はありませんでした。
【本から学ぶ】
歴史の本を読むことで過去の人間と対話することができます。
優れた歴史書を読めば、過去の偉人の人生を追体験することができるのです。
ただし、歴史と物語は異ります。
ストーリーありきで、都合の良い事実だけを組み合わせたものを歴史書と呼ぶことはできません。
歴史小説のほとんどは、ストーリー性を重視している分、歴史書としての役割は果たせていません。
著者の意図が反映されていない歴史書だからこそ、過去から学ぶことができるのです。
人が未来に備えるためには、歴史に学ぶことしかできません。
【旅から学ぶ】
教養を身につける目的で旅をしてはいけません。
面白いと思う通りに旅をすべきです。
旅の中で、何かに興味を持ったら、芋づる式に次の旅に発展していくのが理想です。
手頃な目標を設定することも、旅を続ける助けとなりますが、目的なく放浪するのもおすすめです。
海外での旅先では、美術館や教会などに加えマーケットを歩くことおすすめします。
マーケットを見ることで、その国の経済状況を知ることができるのです。
旅においては、五感を使って情報に触れることができます。
一方、本は行くことのできない場所や過去から情報を受け取ることができます。
旅と本は、それぞれにしかない特徴があり、互換関係にあると言えます。
4.一般教養
【公的年金制度】
政治や政策を知ることも教養の一つです。
たとえば、公的年金制度のおおまかな仕組みを知ることで、制度破綻のリスクは低いことが理解できます。
政府が国債を発行できる限り、公的年金制度が破綻することはありません。
年金を支払うお金が足りなければ、国際を発行して補うことができるのです。
国債を発行できない状況とは、国家的危機を迎えている状況であり、国よりも先に金融機関が破綻しているはずなのです。
近代国家においては、国家以上に安全な金融機関は存在し得ないことが証明されています。
【非正規雇用問題】
日本の社会保障制度においては、厚生年金を非正規労働者などにも適用することで、格差の是正に務めることが重要な課題です。
正社員と非正規労働者は、勤務時間で区分けされている。
しかし、そもそも勤務時間ではなく成果を基準に労働者を評価すべきなのです。
一定時間以上働かないと認められない正社員にのみ、社会保障を適用すべきではないのです。
非正規労働者にも厚生年金を適用すると、企業の保険料負担は増えることになりますが、様々な雇用形態で労働者を雇えるというメリットも有るのです。
実際にドイツではこの制度が成功しています。
【少子化問題】
日本が抱えている殆どの問題は、少子化によるものが原因です。
少子化対策こそが、日本が優先すべき政策なのです。
フランスはシラク3原則という方針を打ち出し、少子化を解消することに成功しました。
女性が子供を産みたいときに産める環境を作り、子育てを経済的に支援し、職場復帰をサポートすることで成功しました。
【住宅ローンのリスク】
35年の住宅ローンは時代に適していません。
住宅ローンは経済成長を前提に作られたシステムなのです。
世界的に所得が下がり続けているにも関わらず、同じ金額を35年間も払い続けるというのは、大きなリスクなのです。
家を買うことで、資産を残せるという主張もありますが、住居費用と投資は別に考えるべきです。
将来的に持ち家の価値が維持できるかはわからないため、投資リスクが高すぎるのです。
また、マンションを購入した場合も、後から修繕負担金を求められるリスクが高く、投資対象は慎重に見分ける必要があるのです。
今から住むのに適した物件と、将来価値が上がる物件は必ずしも一致しないのです。
【エネルギー問題】
日本はエネルギーを海外からの輸入に頼らざるを得ません。
国内で産出できるエネルギーでは、供給が間に合わないのです。
これを解消するために原子力発電所が作られました。
しかし、東日本大震災の際にこの原子力発電の抱えるリスクが問題化したのです。
とは言っても、原発を稼働しなければすべて丸く収まるわけではありません。
新興国や途上国におけるエネルギー需要は急激に伸びており、将来的なエネルギー問題に備えなくてはいけない状況なのです。
おわりに
民主主義は、個人がそれぞれ意見を持つことで成り立つものです。
ただただ情報を鵜呑していては民主主義がうまく機能しないのです。
社会問題や時事問題は、枝葉の部分にとらわれず、本質を捉える必要があります。
そのための着眼点としては、まず動機を見極めることが大事になります。
ある情報を入手したら、誰がどのような目的で、その行為をしたのか。
また、どのような目的で報道されたのかを考えましょう。
そして、情報の中から本音と建前を見分けることが重要なのです。
社会人は、職場の一員である前に、社会の一員です。職場に人生を捧げる必要はないのです。
人生において仕事に費やす時間は、全体の2~3割程度に過ぎません。
人間にとって仕事はそれほど重要なものではないのです。
むしろ、仕事をどうでも良いと思ったほうが、職場のためにもなります。
失敗を必要以上に恐れず、思い切った行動にもつながります。
会社での地位を人間の価値のように捉える人もいますが、出世とは単に機能が変わることなのです。
地位が変わっても、人としての価値は変わらないのです。
【ためになる話】「仕事におけるコミュ力とは」
人間関係において、コミュ力は大きな役割を持っています。
仕事においてもコミュ力は重要となります。
ほとんどの仕事は、自分ひとりで完結するものではありません。
複数の人間が関わる以上。コミュニケーションは必須のものとなります。
しかし、一概にコミュ力といっても、それがどのような能力を指しているのか明確ではありません。
今回は、「仕事で求められるコミュ力」について説明します。
1.コミュ力と外向性
コミュ力が高い人には、どのような特徴があると思いますか?
「話が面白い」、「よく喋る」、「外交的である」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
確かに、このようなコミュニケーションを取るのが好きな人こそ、コミュ力が高いと考えられます。
外向性が高いことは、収入の高さにつながることがわかっています。
顧客と良い関係を築くことができれば、売上成績の向上に繋がります。
職場で良い人間関係を築くことができれば、より早く出世することができます。
飲み会でのコミュニケーションも大事です。
海外での研究では、飲酒の習慣がある人は、収入が高い傾向があることがわかっています。
これは、飲み会でのコミュニケーションによる人間関係の構築が理由であると考えられます。
なお、喫煙の習慣がある人には、特にこのような傾向はありませんでした。
2.内向性の価値
外向性の高さが収入の増加につながるというのは、納得できる理屈です。
しかし、多くの人はこのような外向性を持ち合わせていないのではないでしょうか。
特に日本人の場合、内向的な人の割合が多いかと思います。
そんな内向的な人たちが、コミュ力を高めるためには、外交的な人間のように振る舞う必要があるのでしょうか?
ちなみに私の場合、知らない人が大勢いるような飲み会にはあまり行きたくないので、猫にエサをあげることを理由に、断るようにしています。
しかし、よりお金を稼いで、高価なキャットフードを買うためには、この地獄の会に参加すべきなのでしょうか。
私は、そうは思いません。
内向的な人が外交的に振る舞うのは、効率が悪いのです。
外向性というのは生まれ持った性質であり、その性質を捻じ曲げるよりも、個性を活かすことに注力すべきです。
苦手を改善するよりも、得意な部分を伸ばしたほうが戦力になります。
相手に失礼にならない程度の最低限のレベルは必要かもしれませんが、外交的であることが唯一の成功方法ではありません。
無口でも結果を残す営業はいくらでもいます。
外交的・内向的というのはあくまで特性なのです。どちらかが優れているわけではありません。
それぞれに苦手なところと得意なところが存在します。
大事なのは、苦手なところではなく、得意なところを活かすよう努力することなのです。
3.仕事におけるコミュ力
本題に戻ります。
仕事で求められるコミュ力とは何なのでしょうか?
それは、「相手の考えを確認できること」です。
自分の考えと、他人の考えは異なるものです。
同じ話を聞いても、自分と他人では受け取り方が異なります。
いくら話しても、自分と相手の考えが完全に一致することなどあり得ません。
私が感じている「実家の猫の可愛さ」と、あなたが考えている「可愛さ」は異なるものなのです。
うちの猫の可愛さを十分に伝えることなど、私にはできません。
仕事で求められるコミュニケーションとは、自分の考えと相手の考えにおける相違を限りなく埋めていくことなのです。
4.実践編
たとえば、相手から仕事を頼まれたとします。
このとき、相手からの依頼に関する情報が、そもそも不足している場合もあります。
いつまでにやればよいのか、どのように作業すればよいのか、確認する必要があります。
たとえ情報が揃っていたとしても、認識にズレが生じている可能性もあります。
この情報の不足と、認識のズレを、できる限り早い段階で解消することが求められます。
もちろん、仕事を頼まれた段階ですべてを解消できるのが理想ですが、作業中に疑問が生じるというのもよくあることです。
「この場合どうしたらよいという情報が不足している」
「この部分で認識のズレがあるかもしれない」
そういった可能性にいち早く気づくこと、そして、それを解消することが重要なのです。
「言われたことだけやっておけばよい」
「言われなかったのでやらなかった」
という状況は、社会人として最悪のケースです。
もしやるのであれば、嫌いな人に対して意図的におこなってください。
自分と相手の考えを一致させることはできないこと
だからこそ、相手の考えを慎重に確認することが求められるということ
この2点に注意してコミュニケーションを図れば、仕事をしていく上では十分です。
このくらいであれば、内向的な人でも取り組めるのではないでしょうか。
【1,000字で解説】「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」
「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」という本について1,000字で解説します。
1.ストレスの存在理由
結論から言うと、ストレスは体に悪いものではありません。
本来は、人の能力を有効に活用する機能のひとつなのです。
では、なぜストレスが体に悪影響を及ぼすのでしょうか。
それはストレスそのもに問題があるのではなく、ストレスの感じ方に問題があるのです。
むしろストレスを活用すれば、困難の克服や、人間関係の構築、自身の成長にもつながるのです。
2.マインドセット介入
ストレスの悪影響を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。
とても簡単な方法があります。
それは、ストレスは害ではないと知ることです。
ストレスは害ではないという説明を聞いただけで、聞いた人の意識が変化し、ストレスホルモンの分泌バランスが改善されることがわかっています。
これをマインドセット介入といいます。
3.ストレスホルモン
【DHEA】
ストレスホルモンのDHEAには脳の成長を促す効果があります。
適度なストレスを感じることで、人間は成長するのです。
マインドセット介入により、ストレスは害ではないことを説明された人は、このDHEAの分泌量が多くなることがわかっています。
みなさんも、これからは安心してストレスを感じてください。
【コルチゾール】
ストレスホルモンのコルチゾールは、体内の各機能を低下させる代わりに、一つのことにエネルギーを集中させます。
この状態が長く続くと体に悪影響を及ぼします。
身体に悪影響を及ぼす働きもするストレスホルモンですが、一時的に火事場の馬鹿力を発揮できるのは、コルチゾールのおかげなのです。
【オキシトシン】
ストレスホルモンのオキシトシンには、社会的なつながりを強化する効果があります。
ストレスが他人とのつながりを促すのです。
さらに、オキシトシンには、恐怖を克服する効果や心臓の機能を強化する効果もあります。
4.ストレスへの対処法
【不安を受け入れる】
大きな舞台で緊張を感じ、ストレスが生じることがあります。
そんなとき、緊張を抑えようとする必要はありません。
緊張感はパフォーマンスを向上させます。
自分が緊張していることや不安を感じていることを認めてください。
その状態を受け入れることで、良いパフォーマンスを発揮できるのです。
【他人のために行動する】
強いストレスに打ち勝つためには、他人のために行動することが効果的です。
自分のことでいっぱいいっぱいなときこそ、誰かの役に立つことで、その状態を脱することができます。
辛くなったときは、誰かのために行動することが、自分のためになるのです。
【ためになる話】「アウトプット勉強法」
どうせ勉強するなら、効率よく勉強したいと思いませんか?
できるだけ少ない労力で物事を覚えるにはどうしたら良いでしょうか。
科学的に証明された方法で勉強することにより、効率的に記憶できるようになります。
1.短期記憶と長期記憶
脳には、何かを記憶する機能が大きく分けて2つ存在します。
すぐに覚えてすぐに忘れてしまう「短期記憶」。
そして、何十年にも渡って記憶される「長期記憶」です。
たとえば、「今日やることリスト」の内容は、明日以降も覚えておく必要はないため、短期記憶として処理すべきです。
一方、キャッシュカードの暗証番号は、そのカードを使い続ける限り忘れてはいけないため、長期記憶として処理すべきです。
個人的な例を出すと、私が誰かにお金を貸したことは、忘れてはいけないため、長期記憶として処理すべきです。
一方、お金を返してもらったことは覚えておく必要がないため、短期記憶として処理すべきなのです。
勉強をする際は、すぐに忘れてしまう短期記憶ではなく、長期記憶に残していく必要があります。
たとえば、資格の勉強内容を短期記憶に記憶しても、勉強してから受験するまでの間に、忘れてしまっては意味がありません。
それでは、長期記憶に記憶するための勉強法とはどのようなものでしょうか。
2.アウトプット勉強法
勉強方法をおおまかに2分すると、インプットとアウトプットに分けられます。
インプットとは、教科書や参考書を読んだり、授業で先生の話を聴くことなどが当てはまります。
一方で、アウトプットとは、単語を紙に書いたり、声に出したり、問題を解いたりすることを指します。
長期記憶に残りやすいのは、アウトプットによる勉強です。
いくら本を読んだり話を聴いたりしても、短期記憶にしか残らないのです。
自分の頭で考えるなどの行動に移すことで、長期記憶に記憶されていくのです。
思い出してみてください。
昔、人に言われた言葉や、本で読んだ内容を、しっかり覚えていますか?
その内容よりも、自分がどう感じたか、何を考えたかということの方が記憶に残っているはずです。
映画を観た後に、「めちゃくちゃ良い映画だったね」と言いながら、内容はよく覚えていないというのは、私だけではないはずです。
また、自転車の乗り方や、箸の持ち方を忘れることはありませんよね?
インプットによって長期的に記憶しているのは、自分の名前ぐらいではないでしょうか。
しかし、自分の名前についても、紙に書いたり、名乗ったりすることでアウトプットの機会は多いものです。
もしかしたら、そんなアウトプットの機会がなければ、自分の名前ですら忘れてしまうことがあるのかもしれません。
3.インプットとアウトプットの定義
ただし、ここで注意すべき点があります。
インプットとアウトプットの定義を明確にしておく必要があるのです。
勉強におけるインプット・アウトプットについて、この記事では次のように定義しています。
インプット:教科書や参考書を読む、先生の話を聴く
アウトプット:単語を紙に書く、声に出す、問題を解く
一方で、次のように解釈することもできます。
インプット:勉強すること
アウトプット:テストで結果を残すこと、良い成績を取ること
たとえば、仕事におけるアウトプットとは、利益を上げることなど、結果を残すことと解釈されます。
そのため、勉強におけるアウトプットも、結果を出すことと解釈されても間違いではありません。
この解釈をすると、アウトプットを重視するということは、勉強する過程よりも、テストや成績の結果を重視しろという意味に取られてしまいます。
繰り返しますが、この記事で推奨しているアウトプットとは、「単語を紙に書く、声に出す、問題を解く」といったものです。
その点は、誤解しないよう注意してください。
4.実例
アウトプット勉強法の例を紹介したいと思います。
今回の記事を書くことも、アウトプット勉強法のひとつです。
記事の内容は、「学びを結果に変えるアウトプット大全」(樺沢紫苑)を参照しています。
記事を書くにあたって、まずはこの本の内容を、ある程度インプットする必要があります。
しかし、このインプット作業だけでは、短期記憶にしか記憶されません。
本に書かれている内容を思い出しながら、自分なりの文章にして記事にするという行為は、アウトプット勉強法そのものです。
例えば、「短期記憶」と「長期記憶」について説明するとき、誤った説明をしないよう、その単語を調べ直したりします。
このような行為を経ることで、ただ読んだだけの場合よりも、記憶が定着することにつながるのです。
効率的に勉強するためには、必要最小限のことだけを記憶したほうが良いように思えます。
仕事や勉強において効率化を図るのは大事なことです。
しかし、勉強すること、特に記憶することについては、あえて余計な手間を掛けた方が効率的なのです。
これは、情報を結びつけて記憶するほど、思い出しやすいという理由もあります。
たとえば、村田次郎さん(架空の人物です)の名前を覚えるのに、余計な情報量を増やさないためには、名前の情報だけがあれば十分です。
しかしこの人物が、「世界で初めて口笛を吹いた人」だったとしたら、より記憶に残るのではないでしょうか。
効率の良い勉強をするために、ある意味非効率な方法が適している場合もあるのです。
科学的な根拠に基づいた、最善の勉強法を身につけましょう。
未だに納得できていないこと
ここ数年で経験した、悲しい出来事について話します。
未だに自分の中で受け入れられません。
「スーパーから消えた! お気に入りの品々」
毎日の食べ物や飲み物にこだわりを持っている人は多いかと思います。
オーガニック食品にこだわる人もいれば、白米の銘柄はこれが良いというこだわりもあります。
私はそれほどこだわりが強くないのですが、これはこのメーカーが良いと思って買い続けている商品ばかりが、立て続けに販売中止になっているのです。
こんな理不尽があってよいのでしょうか?
①アイスコーヒー
毎朝アイスコーヒーを牛乳で割って飲んでいるのですが、かつて好んで買っていたネスレのコーヒーが販売中止になりました。
仕方のないことですが、これが悪夢の始まりでした。
②牛乳
アイスコーヒー割る牛乳として、「牧場ごころ」を愛飲していました。
しかし、これも最寄りのスーパーで取り扱いが終了してしまいました。
コーヒーに続いて、牛乳まで攻め込まれてしまったのです。
これには、かなりメンタルをやられてしまいました。
③牛乳
「牧場ごころ」の後継者として、メグミルクの「特濃4.5」を選択し、なんとかその場をしのぐことには成功しました。
しかし、追撃は終わりませんでした。
「特濃4.5」を2~3回購入した頃に、最寄りのスーパーでの取り扱いが終了してしまったのです。
思い入れが強まる前の段階だったため、比較的ダメージを抑えることはできました。
そして、今ではスーパーのPB商品に甘んじています。
④アイスコーヒー
アイスコーヒーについては、ネスレに裏切られた後にいろいろな物を試しましたが、AGFの「ちょっと贅沢な珈琲店」への鞍替えに成功しました。
しかし、悪夢はこれで終わりませんでした。
この「ちょっと贅沢な珈琲店」のアイスコーヒーも、スーパーが取り扱いを終えてしまったのです。
私には、逃げ切ることができなかったのです。
今はBOSSのカフェベース無糖に切り替えました。
もはや当初の面影は残っていません。
そして、おそらくここも時間の問題でしょう。
⑤たこ焼き
かつて最寄りのスーパーでは、惣菜コーナーにたこ焼きが置いてありました。
4個入りと8個入りがあり、小腹が空いたときも、主食としてガッツリ食べたいときも両対応の品揃えだったのです。
銀だこほどクオリティは高くありませんが、半額程度の値段で購入できるため、コスパは最強でした。
たまにしか食べないけれど、定期的にあのトロトロのたこ焼きが食べたくなり、安物とはいえささやかな幸福を堪能していました。
しかし、そんな幸せにも終わりが訪れます。
なんと、惣菜コーナーから、たこ焼きが消失してしまったのです。
ただ、これには私にも責任があります。
かつては定期的に買っていたのですが、しばらく食べたいという欲求がわかず、購入していなかったのです。
いつでも置いてあるだろうという思いから、たこ焼きをないがしろにしてしまったのです。
おそらく、私が買わずに売上が落ちた結果、スーパー側も断腸の思いで打ち切らざるを得なかったのだと推測できます。
おわりに
「なくなってから、その大切さに気づく」とは、まさにこのような状況を指します。
皆さんは、身の回りのものに対して、あって当たり前という考えを持っていないでしょうか?
失ってから気づくのでは遅いのです。
今が特別な状況で、それは特別な幸せなのです。
日常にある「当たり前の幸せ」を、今一度見つめ直してみましょう。
【ためになる話】「結婚する価値」
近年、日本を含む数多くの先進国で少子化が進行しています。
ほとんどの人に、一人で生きていくだけの収入があり、人生の楽しみ方が多様化する中、結婚する価値とは何なのでしょうか。
なんとなく、結婚について意識している人も多いかと思いますが、改めて結婚する価値について考えてみましょう。
ちなみに私の場合、ここ数年で結婚式に呼ばれることが増えました。
ご祝儀代を回収するために、式だけでも挙げなくてはと考えています。
1.下がり続ける結婚の価値
まずは個人の視点で考えてみます。
結婚する人が減っているという現状から分かる通り、結婚することの価値は下がり続けています。
これには、以前に比べ結婚すること自体が不利になった可能性と、他に選択肢が増えたことで選ばれなくなった可能性が考えられます。
個人的には、昔と比べて結婚することが不利になったとは考えていません。
ただし、仕事をしている女性側からすると、結婚によって仕事上の不利益が生じます。
働く女性が増えたことから、結婚の価値が低くなるケースが増えたのかもしれません。
【相対的価値】
価値とは、人々の評価によって決定づけられます。
仮に、世界にひとつしかない希少性の高いものでも、人が価値を見いださなければ価値のあるものにはなり得ません。
逆に、実際には何の役にも立たないものであっても、人々が価値を見い出せば、それは価値のあるものとなります。
結婚に対して、価値を感じる人が減っているからこそ、結婚しない人が増えているのです。
つまり、結婚の価値は下がり続けていると言えます。
【社会的価値】
続いて、社会的な視点で考えてみます。
結婚する人が少なくなれば、その希少性は高まります。
子どもが生まれれば、国の将来の繁栄に貢献できるため、社会的に価値のあるものだと言えます。
今後、結婚する人が減っていくほど、希少価値は高まっていくこととなります。
個人の視点から見た価値は下がり続ける一方、社会的な価値は高まっていくのです。
とはいえ、結婚の判断をするのは個人です。
今後、日本が社会主義的な国にならない限り、社会のためではなく自分のためになる選択をすべきです。
結婚や子育てに価値を見いだせないのであれば、無理に結婚する必要はないかと思います。
2.今後の展望
それでは、これから更に結婚する人が減っていくと、社会はどうなるのでしょうか。
生物学的な視点で考えてみたいと思います。
結婚する人が少なくなる中でも結婚する人というのは、結婚しやすい特性を持っているといえます。
結婚しやすい特性というのは、結婚に至るまでに必要なスキルの高さや、結婚したいと思いやすい傾向のことを指します。
このような特性は、ある程度子どもに引き継がれていきます。
注意していただきたいのは、これが遺伝による継承ではないということです。
遺伝によって、ある特徴が子孫に引き継がれていくという考えは、優生学に近い考えです。
【優生学】
優生学というのは、優秀な人間同士が子供を産むことで、優秀な遺伝子が子供に引き継がれます。
そして、優秀な遺伝子だけを残すことで、優秀な人間を創造していこうという考えです。
この理屈が正しければ、たとえば、身長の高い人同士で子供を産むことを繰り返せば、やがて巨人が産まれることになります。
また、首が短い人同士が子供を産むことを繰り返せば、ジャミラが産まれることになります。
しかし、そうはならないのです。
遺伝を繰り返す中で、「平均への回帰」と呼ばれる現象が生じるのです。
親の身長が平均よりも高いと、確率論では、親よりも身長の低い子供が産まれる可能性が高いのです。
背が高いという「偏り」は、繰り返すことで平均に向かっていくのです。
【非認知能力】
この考えによると、「結婚しやすい特性」も子供には遺伝しないこととなります。
確かに遺伝はしませんが、子供の将来には遺伝だけではなく家庭環境も大きく影響します。
「結婚しやすい特性」のような、数値化できない能力を「非認知能力」といいます。
「結婚しやすい特性」を持つ親の家庭で育つことで、この非認知能力が子供にも身につくということは十分に考えられます。
遠い将来、日本にいるすべての人間が、「結婚しやすい特性」を身に付けているかもしれません。
なにかのきっかけで、個人の視点から見た結婚の価値が高まれば、一気に少子化が解消される可能性があるかもしれません。
【ためになる解説】「脳には妙なクセがある」
今回は「脳には妙なクセがある」という本を紹介します。
人間の脳の独特な特徴を、わかり易く解説した本です。
脳の特性を知ることで、勉強や仕事、日常生活に活用することができます。
私にも、ムカつく人の顔を見ると殴りたくなるという特性があるのですが、これも人間の脳の特性によって生じることなので、仕方がないことなのです。
1.後天的に育つ脳
動物は、脳が大きいほど知能が高い傾向があります。
体重が重いほど、脳も大きくなります。動物の脳重量は体重の0.75乗に比例します。
しかし、人間だけはこのスケーリング法よりも脳が重いのです。
人間同士で比較しても、大脳皮質が大きい方がIQが高い傾向があります。
大脳皮質の大きさは、生まれた時点で決まるわけではありません。
生まれ持ったものよりも幼少期の行動による影響が大きいのです。
むしろ、幼少期に大脳皮質が薄い人ほど、成長すると大きくなる傾向があります。
先進国の女性ほど、身体的劣等感を感じやすいものです。
これは、生まれ持った認識ではなくメディア等により後天的に植え付けられた価値観が影響しているのです。
劣等感や嫉妬を感じると、不安を感じた時と同じ脳反応が起こります。
劣等感を感じやすい人ほど、他人が不幸になることによって感じる快感が大きくなります。
「他人の不幸は蜜の味」というのは、自らが劣等感を抱えている証でもあるのです。
一方で、ほとんどの人は自分が平均以上であると自己評価しています。
そして、自己の能力を高く評価する人は、実際に集団の中で優位な立場に立ちやすいのです。
2.思考のクセ
【選択肢の罠】
2つの商品のどちらを買うか迷ったとき、最終的に選択した商品の価値を、実際よりも高く認識しやすくなります。
その商品を選んだことを肯定する理由を、無意識に探そうとするのです。
このような現象は、サルにも存在します。
また、同じ作業でも、報酬をもらわない方が、報酬をもらった場合より、その作業が面白かったと感じやすいです。
これも、自分がとった行動を肯定するために、無意識に理由付けをしているのです。
報酬を貰えれば、報酬のために頑張ったのだと理由づけできるが、報酬がない場合は、その作業自体に価値を見いださないと、整合性が取れなくなってしまうのです。
【社会通念による思い込み】
人差し指が短い人は男性ホルモンのテストステロンが多く、収入が高くなる傾向があります。
テストステロンが多い人は数学に強く、瞬発力が高いという特徴があります。
また、証券マンを対象とした実験ででは、テストステロンが朝から高い状態だと、株取引に成功しやすいことが.わかっています。
お金を自分の好きな割合で相手と分配し、相手は拒否する権利だけを持っているという実験があります。
受取を拒否されると、ふたりともお金をもらえなくなります。
たとえ1円でも受け取ったほうが得なのですが、提示額があまりに低いと、相手が怒って拒否するリスクが有るのです。
この実験では、平均35%程の提示額となりました。
お金を提示する側の被験者にテストステロンを投与した場合、提示額が40%程に上昇しました。
意外なことにテストステロンには、寛容さを生じさせる効果があったのです。
一方、テストステロンを投与すると伝え、実際には投与しなかった場合、提示額は30%程に低下しました。
テストステロンには攻撃性を強化するイメージがあるためだと考えられます。
人は社会通念による思い込みに影響を受けやすいのです。
【後知恵バイアス】
「やっぱりそうなると思った」という印象は、思い込みによるものである可能性が高いのです。
これを、後知恵バイアスといいます。
人は後知恵バイアスにより、答えを知ったあとに、最初から分かっていたと認識する傾向があります。
「やっぱりそうなると思った」という言葉が浮かんだとき、実際にはそれほどわかっていなかったのだと、認識を改める必要があります。
【信憑性の罠】
人は説明を受ける時に、その根拠らしきものを提示されると、それが根拠になっていなかったとしても信じやすいものです。
たとえば、説明の際に画像やグラフを見せられると、画像やグラフが有用な情報ではなかったとしても、説得力が高いと感じやすいのです。
3.体と脳
【表情と脳】
表情が脳に影響することが実験でわかっています。
笑顔を作ると体内でドーパミンが生成されます。
恐怖の表情を作ると、視野が広まり眼球の動きが早まり呼吸が早くなります。
嫌悪の表情を作ると、恐怖の表情とは逆に、視野が狭まって呼吸が遅くなります。
また、ボトックスという薬品を顔に注入するとしわが無くなるのですが、表情を作りにくくなります。
表情が作りにくくなった人は、感情を表現することだけでなく、対面した相手の感情を読み取りにくくなります。
【色や温度と脳】
色や温度なども、脳に影響することがわかっています。
温かい飲み物を渡されると、渡してきた相手が温厚な人間であるという印象を持ちやすくなります。
また、ボクシングは統計上赤コーナーの選手が勝ちやすく、柔道は青い道着を着た選手が勝ちやすいのです。
目に入る色によって、集中力に影響があるのだと考えられます。
IQテストの表紙の色とテスト結果の相関を検証した実験では、表紙が赤色のテストでは点数が低くなることがわかりました。
色や温度だけでなく、香りも脳に作用します。
たとえば、コーヒーのような心地よい香りをかぐと、人助けをしやすくなる傾向があります。
【ビタミンと暴力行為】
ビタミン剤を囚人に飲ませ、行動の変化について研究した実験があります。
この実験では、プラシーボ効果を避けるため、栄養素の入っていない錠剤を飲ませるグループを比較対象としました。
さらに、錠剤の配付者にも、どれが本物のビタミン剤かわからないようにして、2年間にわたって実験をおこないました。
その結果、ビタミン剤を飲み続けた囚人の暴力行為が35%減少したのです。
ビタミンの摂取が、暴力行動を抑制することがわかったのです。
身の回りに、普段からイライラしている人はいませんか?
その人は、おそらくビタミンが不足しているのだと考えられます。
その人に怒られたときは、ビタミン剤を顔面に叩きつけることで、問題は解決するはずです。
4.幸福感と問題解決
人生に感じる幸福感はU字カーブを描きます。
若い頃と、年をとってからが幸福度が高く、その間は低くなりがちなのです。
悲しみの感じ方は世代を問わず一定ですが、ストレスは若いころの方が感じやすい傾向があります。
若者のほうがネガティブなものに反応しやすい、ネガティブバイアスがあるのです。
ネガティブバイアスは年齢とともに小さくなります。
ただし、損をしたときに感じる負の感情は、歳を取っても変わりません。
一方で、損を回避しようとする傾向は、年を重ねるとともに小さくなります。
そのため、高齢者のほうが詐欺の被害に遭いやすくなるのです。
【議論の有効性】
問題解決には議論をした方がよいことが科学的に証明されています。
実験では、当初50%程度であった問題への正答率が、ディベート後に回答させた場合70%まで上昇しました。
これは、参加者の中に正解を知っている人がいなくても、同様の結果となりました。
誰も答えがわからない状況であっても、議論することで正解を導き出せる確率が高くなるのです。
【保留の有効性】
問題と直面したら、すぐに解決策を探すよりも、一度放置することで、解決策が思いつきやすくなります。
無意識のうちに脳が解決策を検討しているのです。
また、睡眠中も脳は活動しています。
トレーニング後に数時間程度のブランクがあると、トレーニング直後よりも成績が低下します。
しかし、その後に睡眠を挟むと、トレーニング直後よりも成績は向上することがわかっています。
なお、一度にまとめて勉強するよりも、繰り返し勉強した方が記憶の定着率が高いこともわかっています。
学習直後の成績には、どちらもあまり差がないのですが、時間をおいてテストをすると、繰り返し勉強した人の方が正解率が高くなるのです。
おわりに
人の選択は、そのほとんどが外からの刺激や身体状況に応じた反応です。
自らの意志で決定したと思えるようなことでも、ほとんどの場合、決定を下した時点の状況に対しての反応なのです。
本人が決定したと思うよりも前から、脳は反応しています。
自分で考えて決めるよりも前に、どう行動するかは脳が決定しているのです。
人は考えよりも反射によって行動しているため、良い行動を選択するためには、良い経験を積んで良い反射ができるようにすることが重要なのです。