【ためになる話】「結婚する価値」
近年、日本を含む数多くの先進国で少子化が進行しています。
ほとんどの人に、一人で生きていくだけの収入があり、人生の楽しみ方が多様化する中、結婚する価値とは何なのでしょうか。
なんとなく、結婚について意識している人も多いかと思いますが、改めて結婚する価値について考えてみましょう。
ちなみに私の場合、ここ数年で結婚式に呼ばれることが増えました。
ご祝儀代を回収するために、式だけでも挙げなくてはと考えています。
1.下がり続ける結婚の価値
まずは個人の視点で考えてみます。
結婚する人が減っているという現状から分かる通り、結婚することの価値は下がり続けています。
これには、以前に比べ結婚すること自体が不利になった可能性と、他に選択肢が増えたことで選ばれなくなった可能性が考えられます。
個人的には、昔と比べて結婚することが不利になったとは考えていません。
ただし、仕事をしている女性側からすると、結婚によって仕事上の不利益が生じます。
働く女性が増えたことから、結婚の価値が低くなるケースが増えたのかもしれません。
【相対的価値】
価値とは、人々の評価によって決定づけられます。
仮に、世界にひとつしかない希少性の高いものでも、人が価値を見いださなければ価値のあるものにはなり得ません。
逆に、実際には何の役にも立たないものであっても、人々が価値を見い出せば、それは価値のあるものとなります。
結婚に対して、価値を感じる人が減っているからこそ、結婚しない人が増えているのです。
つまり、結婚の価値は下がり続けていると言えます。
【社会的価値】
続いて、社会的な視点で考えてみます。
結婚する人が少なくなれば、その希少性は高まります。
子どもが生まれれば、国の将来の繁栄に貢献できるため、社会的に価値のあるものだと言えます。
今後、結婚する人が減っていくほど、希少価値は高まっていくこととなります。
個人の視点から見た価値は下がり続ける一方、社会的な価値は高まっていくのです。
とはいえ、結婚の判断をするのは個人です。
今後、日本が社会主義的な国にならない限り、社会のためではなく自分のためになる選択をすべきです。
結婚や子育てに価値を見いだせないのであれば、無理に結婚する必要はないかと思います。
2.今後の展望
それでは、これから更に結婚する人が減っていくと、社会はどうなるのでしょうか。
生物学的な視点で考えてみたいと思います。
結婚する人が少なくなる中でも結婚する人というのは、結婚しやすい特性を持っているといえます。
結婚しやすい特性というのは、結婚に至るまでに必要なスキルの高さや、結婚したいと思いやすい傾向のことを指します。
このような特性は、ある程度子どもに引き継がれていきます。
注意していただきたいのは、これが遺伝による継承ではないということです。
遺伝によって、ある特徴が子孫に引き継がれていくという考えは、優生学に近い考えです。
【優生学】
優生学というのは、優秀な人間同士が子供を産むことで、優秀な遺伝子が子供に引き継がれます。
そして、優秀な遺伝子だけを残すことで、優秀な人間を創造していこうという考えです。
この理屈が正しければ、たとえば、身長の高い人同士で子供を産むことを繰り返せば、やがて巨人が産まれることになります。
また、首が短い人同士が子供を産むことを繰り返せば、ジャミラが産まれることになります。
しかし、そうはならないのです。
遺伝を繰り返す中で、「平均への回帰」と呼ばれる現象が生じるのです。
親の身長が平均よりも高いと、確率論では、親よりも身長の低い子供が産まれる可能性が高いのです。
背が高いという「偏り」は、繰り返すことで平均に向かっていくのです。
【非認知能力】
この考えによると、「結婚しやすい特性」も子供には遺伝しないこととなります。
確かに遺伝はしませんが、子供の将来には遺伝だけではなく家庭環境も大きく影響します。
「結婚しやすい特性」のような、数値化できない能力を「非認知能力」といいます。
「結婚しやすい特性」を持つ親の家庭で育つことで、この非認知能力が子供にも身につくということは十分に考えられます。
遠い将来、日本にいるすべての人間が、「結婚しやすい特性」を身に付けているかもしれません。
なにかのきっかけで、個人の視点から見た結婚の価値が高まれば、一気に少子化が解消される可能性があるかもしれません。