大学職員とは
大学職員という仕事をご存知ですか?
大学には、教員や助手以外にも、各種事務を取り扱う職員が存在します。
小学校・中学校・高校にも、用務員や警備員などの職員は存在します。
しかし、学校運営のほとんどを、職員ではなく教員が担っています。
なぜ、大学には大学職員というものが存在するのでしょうか。
それは、
①業務が多岐にわたること
②大学教員は研究者でもあること
の2点があげられます。
①業務が多岐にわたる
大学だからこそ必要となる業務には以下のようなものがあります。
・カリキュラム作成
高校までは、文科省が作成する学習指導要領にもとづき、授業を組み立てていきます。
しかし、大学では学科・専攻ごとにカリキュラムを作成し、改正していく必要があります。
・時間割作成
カリキュラムが確定したら、それに基づき時間割を作成します。
授業を担当する教員の都合や教室の空き状況などを考慮し、時間割を組み立てる必要があります。
・就職支援
大学では、卒業後の進路についてもサポートする必要があります。
就職支援が充実していないと学生は集まりません。
受験勉強と異なり、学業と就職活動はあまり関連性がないので、別業務となります。
②大学教員は研究者でもある
大学教員は授業や大学運営だけが仕事ではありません。
教育者でもあり研究者でもあるのです。
学会の運営や論文発表など、研究者としての業務にも力を入れる必要があるのです。
これらの理由から、大学では教員と職員が業務を分担しているのです。
【大学職員に求められる役割】
大学職員は、学生に向けて授業を行うことはありませんが、大学の質を高めるために大きな役割を持っています。
そもそも、今の時代、大学に何が求められているのか。
そして、そこで働く職員には何が求められているのか。
といった内容を、解説していきます。
大学職員を目指している方、大学職員として働いている方に読んでいただければと思います。
政治・経済・文化などのあらゆる分野において、知識や情報・技術が活動の基盤になっています。
このような社会を、「知識基盤社会」といいます。
今の時代、知識や知能がない生き残ることができないのです。
これは、個人間ではもちろん、日本が世界で通用していくためにも必要なものです。
そのための人材を養成するのが大学の役目です。
近年、大学進学率は向上しています。
高校を卒業した多くの学生が、大学に進学したうえで、社会に飛び立っています。
こうして、多くの学生が大学に進学することで、大学の質の低下が懸念されています。
これまでは、限られた上位のエリート層だけが大学に進学していました。
しかし、誰もが大学に進学できるようになると、あまり優秀とはいえない学生も増えてきます。
そのような学生に向けて、授業のレベルを下げてしまうと、教育の質が下がることにつながります。
教育の質を向上させつつ、優秀ではない学生の能力を引き伸ばさなくてはなりません。
これには、教員が努力をして、自分の担当する授業だけを改善しても目標を達成することは難しいのです。
そこで、大学職員の活躍が求められているのです。