【ためになる解説】「世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事法」
今回は、「世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事法」という本を紹介します。
この本の筆者は、幼いころADHDと診断されました。
あらゆる治療を試みたものの改善にはつながらなかったのですが、自然療法に従い、糖質の摂取を控えて良質な油の摂取を続けたところ、症状は改善しました。
4か月程度で一般的な学力に到達し、その後も学力は向上し続けたのです。
そして、やがて博士号を取得するに至りました。
食事を整えることで、学力の向上につながっていったのです。
私も、良い食生活を続けていけば、どこかの大統領くらいにはなれるかと思います。
1.ファットバーニング
細胞膜の60%は脂質でできており、脳の60%も脂質でできています。
油が脳の大部分を組成しているのです。
一方、糖質は脂質の働きを阻害します。
現代人の身体は、糖質をエネルギー源とするシュガーバーニングの体質になっています。
シュガーバーニングではなく、脂質をエネルギー源とするファットバーニングに変えることで、脳の機能を向上させることが出来ます。
脂質は糖質の20倍の量を体内に貯蔵ができます。
一方、糖質は緊急時に瞬間的に使用すべきエネルギーであり、長持ちしないエネルギーなのです。
現代の食生活では常に糖質をエネルギー源としてしまっているのです。
2.シュガーバーニングの問題点
体内に糖質が入ると、インスリンというホルモンが急激に活動し、糖に含まれるグルコースという成分を、身体中に運び、エネルギーを行きわたらせます。
この時、血糖値が急激に上昇します。血糖値は、急上昇した後に、今度は急低下します。
すると、再度血糖値を上昇させたいという欲求が生じ、体内ホルモンが不安定な状態となります。
脂肪をエネルギーとして燃焼するファットバーニングでは、このような血糖値の急上昇は生じません。
炭水化物を摂取しても、満腹ホルモンと呼ばれるレプチンが分泌されません。
そのため、いくらでも食べ続けることが出来てしまうのです。
さらに、糖質の摂りすぎは、たんぱく質と結合することで、体内に炎症が生じることにつながります。
一方、脂質やたんぱく質を摂取すると、満腹ホルモンのレプチンが分泌されます。
そして、脂質は摂りすぎても太らないことが実験で証明されています。カロリーの摂取量とダイエットには相関がなかったのです。
脂質は、炭水化物とあわせて摂取することで、脂肪酸となり体脂肪として蓄えられます。
脂質だけで太ることはないのです。
現に、脂質の制限を推奨しているアメリカで、肥満の割合が増加しています。
3.「油を控えろ」は間違い
油は身体に悪いという考えは間違いなのです。
確かに、悪質な油は健康に悪いのですが、良質な油は健康を促進します。
逆に、ローカロリー・ローファットの食生活を続けると、身体が糖質を強く求めるようになり、肥満や不健康につながります。
更に、代謝が落ちる、美容ビタミンの吸収率が悪くなる、脳の機能が落ちる等の悪影響があります。
人体を構成している細胞は、細胞を囲んでいる細胞膜に大きな影響を受けます。
この細胞膜を構成しているのが脂肪です。
良い脂肪を摂取することで、細胞の機能を健全化できるのです。
脂肪の摂取によって血流が悪くなるというのは、明らかな間違いです。
野菜中心の生活を続け、油の摂取量が少なく、運動量も多い南インドの人は、肉中心の生活をしている北インドの人よりも心臓病になる確率が7倍も多かったのです。
4.脂肪酸の種類
飽和脂肪酸は常温で固形になる油で、主に動物性の油です。
不飽和脂肪酸は常温では液体になる油で、魚や植物の油が該当します。
さらに、不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸(オメガ9)と多価不飽和脂肪酸(オメガ6・オメガ3)に分かれます。
多価不飽和脂肪酸は、体内で生成されないため、食事での摂取が必須である必須脂肪酸となのです。
この、必須脂肪酸であるオメガ6とオメガ3は4:1で摂取することが理想です。
オメガ6の摂り過ぎは、体内の炎症を招きます。
【悪い油とは】
トランス脂肪酸は、自然にはほとんど存在していない成分で、不飽和脂肪酸を固形化したり、高温で調理することによって生成されます。
サラダ油やキャノーラ油にもトランス脂肪酸が含まれるため、摂取を避けるべきです。
また、遺伝子組み換え食品も、科学的には立証されていないものの、大きな健康リスクを含んでいます。
油に限らず、食材はできる限り自然に近い形で摂取すべきなのです。
【良い油とは】
良い油の条件は、①加工工程が少ない、②遺伝子組み換えでない、③グラスフェッドと呼ばれる、穀物ではなく草を餌としている家畜の油であることです。
日本ではグラスフェッドの食品が手に入りにくいためギ―という油を使用することが望ましいです。
ただし、良い油であっても、偏って摂取するべきではありません。
飽和脂肪酸や、オメガ9、オメガ6、オメガ3を、バランス良く摂るのが理想です。
これを、男性なら1日120~150g、女性なら90~120gを目安に摂取すべきなのです。
食品にも油は含まれているので、それに加えて、1食あたり15~30gの油を摂取することで、この基準を満たすことができます。
5.ファットバーニングの身体を作るには
運動後2時間程度で油を摂取すると、ファットバーニングの体を作るには効率的です。
また、運動直後にプロテインを摂取するのも効果的ですが、糖質もあわせて摂取するとシュガーバーニングの状態になりやすくなります。
プロテインは糖質が多く含まれていないものを摂取すべきです。
ファットバーニングの体を作るには、一日のうち何も食べない時間を16時間設けるというプチ断食を3週間続けることが効果的です。
なお、1日で摂るべき食事の回数に、制限はありません。
8時間のうちに収めることができるのであれば、4回以上の食事をしても問題ありません。
ファットバーニングの状態になれば、満腹ホルモンがしっかり分泌され、空腹感が生じにくくなります。
そのため、1日2回の食事でも問題なくなります。
ただし、普段と異なる食生活を始めると、体調が悪くなりやすいものです。
ある程度食生活の習慣が安定したら、同じ食生活を続けるべきです。
空腹時にはスムージーに油を加えたドリンクを飲むと良いです。
お茶やコーヒー、紅茶などにギーオイルやココナッツオイルなどを入れて飲むだけでも効果的です。
また、間食にはナッツやベリーがおすすめです。
ただし、ローストされたナッツにはトランス脂肪酸が含まれていることが多いため、素焼きのものを選択するなど、ロースト方法に注意する必要があります。
ごはんやパンなどの炭水化物は、夜に食べることを推奨します。
炭水化物を摂取した後に、エネルギーを消費すると、シュガーバーニングに移行するリスクが高くなります。
炭水化物を摂取した場合は、その直後にエネルギーを消費しないように注意しましょう。
夜ご飯で炭水化物を摂取すると、あとは寝るだけなので、シュガーバーニングに移行するリスクは低くなります。
6.食事と睡眠
睡眠不足になると満足ホルモンのレプチンが分泌されにくくなります。
睡眠が不足していると、いくら食べても満腹感を感じにくくなるのです。
食生活を改善するためには、睡眠を十分にとる必要があります。
ただし、ファットバーニングへの移行期に、ついレールから外れてしまっても、自分を責めてはいけません。
人は必ずしも思い描いたとおりに行動できないものです。
アメリカでのリサーチによると、ダイエット後にリバウンドした人に共通する点は、自分を責める人ということでした。
レールを外れること自体に問題はなく、その理由を考えて、できることから変えていくことが重要なのです。
おわりに
社会は、人間の手によって作られます。
その人間の身体は、食べたものによって作られます。
良い身体を作り、良い社会を作るためには、良い食事が前提となります。
人間の身体の細胞は、半年ほどですべて入れ替わると言われています。
食べ物を変えれば、半年後には物質的にも新しい自分が生まれることになります。
食事を見直し、より良い自分を誕生させましょう。