もさおのためになる話

もさおが、ためになる話をします。

【ためになる解説】「スタンフォード式 最高の睡眠」

「生きるために寝るのではない、寝るために生きているのである」

(出典:もさおの名言集)

 

今回は、スタンフォード式 最高の睡眠」と言う本について紹介します。

睡眠について科学的に探求した内容となっており、自分にとって最高の睡眠を手に入れる方法が説明されています。

 

人類の進化形とも言われる猫でさえも、1日に20時間以上睡眠を取ることがあります。

生き物にとって、睡眠はとても重要な役割を担っているのです。

私のように、仕事中にトイレで仮眠を取ることは、決して悪いことではありません。

 

 

1.量よりも質

眠りは量よりも質が重要です。

睡眠時間が短いのはもちろん、眠りすぎても体に悪影響があることが判明しています。

たくさん寝ればよいという訳ではないのです。

 

では、睡眠の質を向上するにはどうしたら良いのでしょうか。

眠りの質は最初の90分で決まります。

眠りの質を向上させるポイントは「体温」と「脳」という2つの睡眠スイッチが鍵となります。

睡眠スイッチを活用して、入眠後90分間の質を高めることで、睡眠全体の質が向上するのです。

 

日本人の約4割は6時間程度しか寝ていません。

アメリカでは短時間睡眠と認定される水準です。

ショートスリーパーと呼ばれる、短時間睡眠でも健康を維持できる人も存在しますが、この能力は遺伝で引き継がれるものです。

しかし、ほとんどの人間はこの遺伝子を持っていないのです。

 

短時間睡眠を続けた人間は寿命が短く、女性の場合は太りやすくなる傾向があります。

また、短時間睡眠を続けた場合と、毎日一時間以上の昼寝を続けた場合、いずれも認知症になるリスクが高まります。

 

眠らなすぎも眠りすぎも、脳に大きな悪影響を与えるのです。

 

2.レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠中は、脳は起きていて身体は寝ている状態のレム睡眠と、脳も体も眠っている状態のノンレム睡眠を交互に繰り返しています。

 

寝てすぐに訪れるのはノンレム睡眠であり、このときに最も深い眠りにつきます。

この初めのノンレム睡眠の質を向上させることが、睡眠の質の向上につながります。

 

私の職場には、仕事中に自分の席で寝ている人がいるのですが、話しかけるとすぐに起きて反応します。

これは、体だけが起きている状態のレム睡眠を保っているということですね。

浅い眠りを繰り返すことで、一日中眠ることを可能にしたのでしょう。

 

レム睡眠中は具体的で合理的な夢を見やすく、ノンレム睡眠中は抽象的な夢を見やすくなります。

人は、起きる直前まで見ていた夢を記憶するので、起きる直前のレム睡眠中に見ている夢が記憶に残りやすいのです。

つまり、記憶に残る夢は具体的で合理的な夢になります。

しかし、逆に抽象的な夢を見て起きたときは、ノンレム睡眠中に覚醒した可能性があり、睡眠規則が乱れている可能性があります。

 

健康な人は目を閉じて10分以内に眠りにつきます。

ノンレム睡眠には4つの段階があり、1段階目の眠りの深さに応じて、残り3段階の眠りの深さが決まります。

1段階目の眠りが浅いと、それ以降も浅い眠りとなるのです。

 

睡眠中は、眠りの1周期が4~5回繰り返されて覚醒に至ります。

この眠りの周期は90分程度と言われていますが、個人差があるため、全員に共通する理想の睡眠時間というのは、存在しないのです。

 

3.睡眠と体温

質の良い睡眠時は体温が低下します。

身体の芯の体温である深部体温と、手足など表面上の皮膚温度の温度差が縮まると眠りのスイッチが入ります。

 

起きている間は深部体温が皮膚体温より2度程度高くなります。

寝る直前は、皮膚から熱放散をすることで皮膚温度が上がり、深部体温が下がることで温度差が小さくなります。

しかし、脳が興奮していると深部体温は下がりにくくなります。

皮膚の体温を上げ、体の芯の体温を下げることが、スムーズな眠りに就くことにつながるのです。

 

体温は急激に上がると、その分下がる性質があります。

この特性を利用し、就寝の90分前に入浴することで、眠りにつくころに深部体温を下げることができます。

深部体温を下げれば、皮膚体温に近づくため、眠りにつきやすくなります。

運動にも同様の効果があるのですが、交感神経を活発にしてしまうため逆に目が覚めてしまいます。

 

なお、通常のお風呂よりも温泉の方が体温の上げ幅が大きいので、より効果的です。

湯疲れのない炭酸泉が理想的です。

また、足湯には、熱放散を助けて、皮膚温度を上げる効果があります。

皮膚温度が上がれば、眠りに就きやすくなります。

この熱放散のために就寝時は靴下をはかない方が良いのです。

 

4.睡眠と脳

眠るときは脳を使わないことが大事です。

 

退屈さは、入眠時には役立ちます

 

いつも通りのベッドで、いつも通りの時間に、いつも通りの環境で眠ることで、脳を使わずに済み、スムーズな入眠が可能となります。

 

また、電車に乗っているときの揺れは、ゆりかごの揺れと同じ1/fと呼ばれる揺らぎです。

1/fの揺らぎとは、規則性のある音と、規則性のない音の中間の揺れを意味するもので、フィーリング効果があります。

そのため、電車の中では眠りに就きやすいのです。

 

私はよく、仕事中にトイレの個室にこもって仮眠を取っているのですが、スムーズに眠りに就くために、トイレを揺らしてもらえると助かります。

 

【時間帯による睡眠圧(眠気)】

睡眠時間が足りていて、健康な状態であっても昼間は眠くなることが実験で証明されています。

昼食後に眠気が生じるのは、寝不足のせいとは言い切れないのです。

 

逆に、寝る直前の2時間は眠気を感じにくくなります。

眠る前に訪れる睡眠圧に、脳が無意識に抵抗していることが原因であると推測できます。

 

そのため、普段より早く寝ようとしても、なかなか寝つけないものなのです。

 

5.睡眠と覚醒

良い覚醒が良い睡眠をもたらします。

すっきり目覚めることが、良い眠りに就く条件なのです。

朝から十分に覚醒しないと、日中に眠気が生じて、就寝時には眠りのスイッチが入らなくなります。

 

脳が過活動状態だと、眠りのスイッチが入らないのです。

人を覚醒させる役割を持つ、オレキシンという神経細胞を活動させると覚醒のスイッチが入ります。

オレキシンは、ヒポクレチンとも呼ばれます。

 

眠りのスイッチは「体温」と「脳」の2つですが、覚醒のスイッチは「体温」「光」です。

 

生物の体内時計は、地球が自転する周期と若干ずれています。

たとえば、人間の体内周期は24.2時間と言われています。

このずれについては、太陽光を浴びることで、1日24時間のリズムに対応できるようになります。

 

通常、覚醒時は体温が上がります。

体温を十分に上げることで覚醒の質が高まるのです。

覚醒の質が高まることで、睡眠の質も高まります。

レム睡眠時に覚醒すること】

目覚ましは2度に分けてセットするのが、良い覚醒につながります。

良い覚醒には、明け方の、レム睡眠時に覚醒するのが理想的です。

しかし、睡眠の周期は個人差が大きいため、その時間を予測するのは難しいのです。

 

そこで、1回目のアラームは極微音で設定します。

眠りが深ければ、1回目のアラームで目覚めることはありません。

そして、20分程度間隔をあけて通常のアラームを設定することで、レム睡眠時に覚醒することができます。

誤って眠りの深いノンレム睡眠時に起きないことが重要なのです。

 

【カフェインによる覚醒】

コーヒーは、成人であれば1日400mlが許容量とされています。

一度カフェインを摂取すると、体内カフェインがなくなるまで、8時間程度かかるので、夜間はカフェインを摂取しない方が良いのです。

 

また、夕食を抜くと、覚醒を促すオレキシンが増加し、眠れなくなります。

さらに、通常よりも食欲が余計に増加して、肥満のリスクが高まります。

睡眠の質のためだけでなく、ダイエットの観点からも夕食を抜くことはおすすめできません。

 

最近は、500mlのコーヒーを2日に分けて飲んでいます。

しかし、飲み途中のコーヒーがあることを忘れ、新しいコーヒーを買ってしまいがちです。

そのため、職場の冷蔵庫が飲みかけのコーヒーであふれてしまいました。

 

本当にごめんなさい。

 

5.眠気に打ち勝つために

日本式の会議は眠気が生じやすいのです。

終了時間が設定されておらず、長時間化しやすい傾向があります。

会議中は、質問もほとんど出ないため、対話が生じることなく、参加者は受け身になってしまいます。

 

【咀嚼と温かい飲み物】

このように会議には眠くなる要素がいくつもそろっているのです。

会議中の眠気を解消するには、何かを口に入れて咀嚼するか、温かい飲み物を飲むという方法があります。

 

咀嚼をすることで脳が刺激され、覚醒につながります。

また、温かい飲み物を飲むことで深部体温を上がり、覚醒につながります。

 

【仮眠の効果】

仮眠を取ることは、20分程度でも脳のパフォーマンスを向上させる効果があります。

しかし、1時間以上の昼寝は認知症のリスクを向上させます。

仮眠の取り過ぎも、健康に悪影響なのです。

 

電車で仮眠をとることは、やらないよりはましであるが、あくまで補助的な睡眠にしかなりません。

十分な睡眠を取ることが大前提となります。

 

おわりに

以上のように、十分な睡眠時間を確保することが難しい現代社会においては、睡眠の質を確保することが重要となります。

 

科学的に正しい方法で、正しい睡眠を取るよう心がけましょう。

 

しかし、私の理想とする睡眠は、猫型睡眠です。

好きなときに好きなだけ寝ることこそが、究極の睡眠なのです。

 

みなさんも、是非、究極の睡眠を目指しましょう。