【ためになる話】「10万円メソッド」
子供の頃、「トリビアの泉」という番組が流行っていました。
視聴者から送られてくる雑学を紹介し、5人の出演者が「へぇ」ボタンを押していき、その合計得点に応じて賞金が投稿者に支払われるというものでした。
満点の「100へぇ」を獲得すれば、10万円が支払われます。
子供の頃の私は、番組の面白さよりも「10万円もあれば人生が変わる!」と考えたことが印象に残っています。
当時の私にとって、10万円は人生を変えるほどの大金でした。
10万円もあれば、私の知る限りのすべての物が買えたのです。
1.10万円で人生を変える!
コロナによる自粛に嫌気が差した私は、何かを変えたいという気持ちから、ATMから下ろした10万円を財布に入れ、街へ繰り出しました。
普段はクレジットカードで買物をしているのですが、あえて現金を手にして、これを大胆に使い切ってやると考えたのです。
その結果、私の人生は変わりませんでした。
いざ、「お金を使ってやる!」と思い立ったときに限って、イマイチ欲しい物が見当たらないのです。
自分の人生を変えてくれる何かにお金を使いたかったのですが、10万円で人生を変えてくれる商品など見つかりませんでした。
お金を使うという行為を、過大評価していたのかもしれません。
その10万円を残しておいたとしても、人生に影響があるとは思えません。
一方で、10万円を使ったところで、人生を変えることなどできないのかもしれません。
2.「一時的な快楽」か「長期的な変化」か
人は、お金を使うという行為に対して快感を覚えます。
「何にお金を使うか」はともかく、「大金を使った」ということが快感をもたらすのです。
もちろん、お金を使う行為は一時的なものなので、快感も一時的に過ぎ去ってしまいます。
人生を変えるためにお金を使うのならば、長期的な変化をもたらすものを購入する必要があります。
今の自分のためになるものではなく、将来の自分のためになるものを選ぶべきなのです。
その対象は、必ずしも”物”である必要はありません。
経験に対してお金を使うことも重要です。
物として手元に残らなくても、記憶として残り続けます。
お金を使うという行為も、一つの経験です。
「欲しい物を手に入れたが何も変わらなかった」という経験は、その後の人生を変えるかもしれません。
無駄遣いをして手に入れた物は役に立たないかもしれませんが、無駄遣いをしたという経験は役に立ちます。
合理性を優先し、感情に蓋をしてしまうと、やがて爆発する時が来ます。
また、自分にとって無駄な買い物だったとしても、お金を使うことで経済は回ります。
自分の使った10万円が誰かの手元に入り、それがやがて有効に使われるなら、決して無駄な行為ではありません。
おわりに
結局、使うことのなかった10万円でしたが、お金の使い方について考えるきっかけを作ってくれました。
結論としては、「好きなことに使うべき」だと思います。
みなさんも、まとまったお金を下ろして、お金の使い方について考えてみてはどうでしょう。
10万円である必要はありませんが、これを「10万円メソッド」と名付けます。