もさおのためになる話

もさおが、ためになる話をします。

【ためになる話】「それで幸福は手に入るのか」

あなたは今、手に入れたいものがありますか?

それが手に入ったとき、あなたは幸福になれますか?

 

人は誰しも幸福を求めているかと思います。

今の行動が、果たして幸福につながっているのか、一度立ち止まって考えてみましょう。

 

ドーパミンの効力】

あなたが追い求めているものを手にしたとしても、それだけで幸福になれるわけではありません。

脳内でドーパミンが発生することで、人は「何かを手に入れたい」、「達成したい」といった欲求が生じます。

 

ドーパミンは、快感が得られると脳が予測した瞬間に分泌されます。

この行為をすれば快感が得られると思わせ、人が行動するための動機付けをするホルモンなのです。

注意しなければならないのが、このドーパミンが生じた際に、その行為を行ったからといって必ずしも快感が得られるとは限らないのです。

 

簡単な例を紹介します。

スマホのゲームアプリでキャラクターを手に入れるためのガチャがあります。

私はどうしても手に入れたいキャラがあり、それが出るまでガチャを回し続けた経験があります。

 

何度回しても狙い通りのキャラが出てきません。

しかし、ガチャを回せば回すほど、そのキャラを手に入れたいという欲求は強まっていきます。

このとき、脳内ではドーパミンが生成されているのです。

もしここで諦めれば、そのキャラは手に入りません。

このキャラを手に入れるモチベーションを高めるのがドーパミンの役割なのです。

 

しかし、このキャラを手に入れたところで、私は幸せになりませんでした。

実際手に入ってしまうと、急に熱が冷めてしまったのです。

なぜあれほど欲しかったのかが理解できませんでした。

 

【オークションの罠】

オークションの入札においても、このような現象が生じます。

多くの落札希望者が現れることにより、競売品を手に入れられる可能性が下がっていくことで、その希少性が高まります。

 

さらに、多くの人がそれを欲しがっているということが、その競売品の価値を高く見せます。

価格がつり上がっていくに連れ、脳内でドーパミンが分泌されます。

なんとしてでも手に入れたいという気持ちが高まり、高価格で入札することになるのです。

多くの場合、オークションで購入した価格について、落札者は後悔してしまいます。

 

【脳の快感センター】

ドーパミンの分泌と、人の行動の関係について明らかにした実験があります。

実験用ラットの脳に電極を埋め込み、電気ショックで直接脳を刺激する実験を行いました。

この実験は、恐怖反応を引き起こす箇所を刺激することが目的だったのですが、ラットが電気ショックを欲しがる箇所を発見しました。

実験者は、電気ショックによってラットが快感を得ていると考え、この部分を「脳の快感センター」と名付けました。

 

同様の実験が、人体でも行われました。

被験者がボタンを押すと、「脳の快感センター」に電気ショックが流れる実験では、被験者はボタンを繰り返し押し続けました。

しかし、被験者は快感を得られそうな予感が生まれるだけで、快感を得ることはできませんでした。

快感を得れば、満足してボタンを押すことを止めるはずなのです。

このボタンを押せば快感が手に入りそうな気がするからこそ、ボタンを押し続けたのです。

 

【幸福と欲求】

このように、本能に突き動かされて行動しても、快感や幸福を手にできるとは限らないのです。

「なんとしてでもお金を手に入れたい」

「なんとしてでも昇進したい」

「なんとしてでもこの職業につきたい」

 

そんな欲求を持っている人はたくさんいます。

しかし、その欲求を満たして、本当に幸せになれるでしょうか。

 

欲しい物と、大切なものは同じではありません。

欲しいという気持ちに突き動かされ、人生の選択を誤ってはいけません。

 

もちろん、このような欲求は目標を達成するためのモチベーションを高めるために活用することもできます。

辛いことやつまらないことをやらなくてはならないとき、この特性を利用することで、意欲的に取り組むことが可能となります。

 

ただし、この欲求に目がくらまないように注意する必要があります。

 

おわりに

人は、希少性の高いものや、多くの人が欲しがっているものを、直感的に価値が高いものと感じます。

一方で、頭を使って考える能力も持っています。

 

ときには、一度立ち止まって、自分にとって価値の高いものが何なのか考える癖をつけましょう。