もさおのためになる話

もさおが、ためになる話をします。

【ためになる話】「思考力を身につける3冊の本」

今回は、誤った情報に騙されないための思考を身につける本を紹介します。

 

日々の生活の中でマスメディアやネットから多くの情報を受け取っています。

その中には多くの誤った情報が含まれています。

 

現代社会を生きる中で、誤った情報を受け取らないように過ごすことはもはや不可能です。

たとえ誤った情報を受け取っても、それに左右されないための思考法を持つことが重要となります。

 

デマに踊らされて取り返しのつかない結果を招く前に、これから紹介する本を読んでみてください。

 

1.「統計学が最強の学問である」

誤った情報の中には、一見それらしい理屈が含まれている事が多いです。

嘘を信じさせるには、正しい情報の中に嘘を散りばめることが効果的なのです。

 

しかし、筋が通っている理屈が本当に正しいかはわかりません。

 

かつてのロンドンで、感染症コレラが大流行しました。

当時はワクチンもなく、コレラに感染した人は、高い割合で死に至りました。

コレラの感染拡大を防ぐため、政府は下水の整備に取り組みました。

当時のロンドンの街は、とても不衛生な状態であり、下水を整備して街をきれいにすれば感染を抑えられると考えたのです。

 

一見、筋の通った理屈です。

 

しかし、下水整備の結果、コレラの感染者数は激増しました。

筋の通った理屈から、必ずしも正しい答えが導き出せるとは限りません。

人間の知識や知能には限界があります。

人は世界のすべてを理解できていないのです。

 

疫学者のジョン・スノウは、このような理屈を飛び越え、正しい答えを導きました。

理由はわからないが、こうすれば感染は防げるという正解にたどり着いたのです。

 

その答えを導いたのは手法は、統計学的手法です。

 

統計学を用いれば、一定量のデータから、限りなく真実へと近づくことができるのです。

大事なのは、真実を見ることです。

専門家の意見に惑わされてはいけません。

実証されてもいない、専門家の意見は、最も学術的根拠に乏しい主張なのです。

かつてのロンドンでは、専門家の意見を信じたばかりに多くの人が犠牲となりました。

デマに踊らされたくないのであれば、統計学的な思考を身につけましょう。

 

2.「学力の経済学」

長生きしたおばあちゃんがいたとして、その人の健康法を真似すれば、他の人の寿命も長くなるでしょうか?

病気にかかったとき、一人の医者の意見を信じて、効果が証明されていない薬を飲むでしょうか?

 

特定の人に当てはまった事象が、自分にも当てはまるとは限りません。

多くの実例がなければ、誰にとっても同じ効果が現れるかはわかりません。

それにも関わらず、教育に関しては、実証されていない個人の意見を参考にしがちです。

子供を東大に進学させた教育ママの教育方法が、自分の子供にも適した教育方法とは限りません。

 

この本は、教育政策について、統計学的な視点から論じたものとなっています。

たとえば、文科省は少人数学級制を推し進めていますが、その効果の程は科学的根拠の乏しいものとなっています。

さらに、少人数学級を維持するためには、かなりのコストが掛かります。

確かに多くの教員で、少ない人数の子供に教育したほうが、教育効果は高そうです。

しかし、どれほどの効果があるかもわからない政策に、大金をつぎ込むことは馬鹿げています。

 

なにか重要な判断を下すとき、誤った選択肢を選ぶことは避けたいものです。

「こうなるのではないか?」という理論を組み立てても、それが答えではありません。

 

理論の組み立ては、スタート地点に過ぎないのです。

 

それが実証されていることなのか。

されていないなら、まずは実証することから始めるべきです。

「本当にそうなるのか?」の検証は、小さなコストで推測することができます。

 

「こうなるのではないか?」という理論は、日常生活でよく目にするかと思います。

その際は、その根拠にも注目し、「本当にそうなるのか?」疑いを持つようにしましょう。

 

3.「Think right」

人が物事を考えるとき、その考えにはある種の偏りが生じます。

人は論理的に考えることが苦手です。

感情に流されたり、経験に基づいて判断をするものです。

大抵の場合、その偏りが正しい答えを導きます。

 

たとえば、スーパーで買い物をするとき、店中のすべての商品を選択肢に入れることはありません。

また、レジ係の顔色や、足の裏の感触など、一切関係ない情報は排除します。

 

人は、経験に基づき、一部の情報から判断を下します。

人の脳には限界があるのだから、それが当たり前なのです。

 

しかし、このような思考の偏りが、ときに愚かな答えを導いてしまいます。

これを、「思考の落とし穴」といいます。

人はどのようなときに、思考の落とし穴に陥るのか。

また、思考の落とし穴を回避するためにはどうしたら良いのか。

そんな事例を50以上まとめ上げたものが本書です。

 

考えるためにはエネルギーを要します。

しかし脳はエネルギーを使うことを嫌がるものです。

だから経験に基づき、感覚的に答えを出そうとするのです。

現代社会では、あらゆる物事が複雑化しています。

頭を使わずに判断したことが、大きな損害を生み出すリスクもあります。

だからといって、すべての物事を合理的に判断することは不可能です。

 

しかし、思考の落とし穴に陥りやすい状況について知っておくことで、意識的にそれを回避することができます。

 

ぜひこの本を読んで、正しく考える癖を身につけましょう。

 

おわり